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噛むことが脳を活性化させることがわかってきています。脳が活性化することによって集中力の向上、リラックス効果、ストレスの軽減などの効果がみられることが明らかになっています。よく噛んで食事をとると、視覚、聴覚、味覚、嗅覚、触覚という五感の情報が脳に送られます。口のなかは髪の毛が一本紛れ込んだだけでもわかるほど鋭敏な感覚をもっています。咀嚼をすることで、脳に多くの情報が送られ、脳の感覚系と運動系の間でさまざまな情報が飛び交い、同時に脳のあらゆる部位を活性化させています。
前頭前野は額の裏側にあり、大脳皮質の約30%を占める大きな領域です。コミュニケーション、感情の制御、記憶のコントロール、意思決定など高度な働きを担っています。
その前頭前野の活性化が、しっかりと意識して噛むことによって誘発されるのです。それは、高齢者において顕著で、特に右側の前頭前野の活性化は、認知力の向上につながるといわれています。また、海馬には、位置や場所、方向などを把握する空間認知能力もあります。海馬の機能が落ちると空間認識能力も低下するため、自分がどこにいるのかわからなくなります。そのような海馬の機能が、噛むことで活性化されるのです。歯を喪失して数が少なくなると、海馬で誕生する神経細胞数が少なくなるだけではなく、生まれた細胞の寿命も短くなります。また、神経細胞死が増えて海馬の神経細胞が減ってしまいます。もし歯を失ったとしても、しっかり歯科治療をおこない、噛む力の維持に努めることで全身の健康を守っていきたいものですね。